デボラ・デービスによる
我々が、BBCチャンネル４のために行った４ヶ月にわたる調査によって明らかにしたのは、合衆国刑務所システム内部で実際に起こっている大規模な虐待による犠牲者のほんの数例に過ぎない．そのビデオ記録を見ること自身も恐怖ではあるが、単に虐待が実際に起こっているということを知るだけでなく、いくつかの極端な例では、若者達がそれによって実際に虐殺されている現場の目撃者に、あなた自身がなってしま� ��ということ気づいたときに更に恐怖を感じることになる．
（以下はビデオ画面の解説、訳者注）
看守は囚人を見下ろして、電気棒、スタンガン、そして犬を持って立っている．多くの囚人は裸になるように命ぜられる．看守は彼らに対して大声を上げて罵しり、地面にうつぶせるように命令する．「うつぶせろ、母親○○○（伏せ字のため不明）、うつぶせるんだ」
もし、囚人が地面に身体を落とすのが遅れると、看守は彼を蹴り上げるか、彼の背中を踏みつける．一頭の犬が一人の男の下肢に歯を食い込ませたときに、高い音程の叫び声が響く．
もう一人の囚人は足首を破壊されていた．彼は、うつぶせになる時に素早く行動できなかったので、看守が彼の臀部をスタンガンで小突く．電気ショックがむき出しとなった彼の肉体と生殖器を通して襲う．その後、数時間の間、彼の全身は震え続ける．
看守達が叫びな� �ら、棒で突き刺したり蹴ったりしながら、彼らを見下ろして立っている間に、独房棟の床に並んだ男達の列が次第にずるずると引きずられていく．
一秒ごとに、彼らの恥ずかしい姿が看守の一人によってビデオカメラに納められていく．
この虐待と残虐の恐怖の映像は我々になじみ深い．これらは、昨年、世界にショックを与えたバクダッドのアブグレイブ刑務所内から得られた映像とまさに同種のものである．
そして、それらは、また、三人のイギリス兵に下された有罪判決の理由となったイラク人囚人に対して加えられた残虐行為の映像とも似ている．
しかし、違いもある．これらの囚人な戦地で捕らえられたのではない．彼らはアメリカ人であり、ビデオはテキサス刑務所内のものである．
我々が、チャン� ��ル４のために行った４ヶ月間の調査により明らかにできたのは、合衆国刑務所システム内で実際に起こっている大規模な虐待による犠牲者のほんの数例に過ぎない．それはチャンネル４で来週放映されることになっている．
我々の見つけたものは噂や疑惑に基づくものではない．それらは、主要には我々が国中から収集したビデオテープという確固たる証拠に基づいている．
多くのアメリカの州では、刑務所規則によって麻薬のための独房の家宅捜査などのいかなる強制執行も看守によって撮影されることが義務づけられいる．
その理由は、ビデオテープが、（刑務所内では）適切な手順が守られており、過剰な強制力は使われていないことを示すであろうという理由である．しかし、実際には、多くのテープは正反対の� �とが起こってい
ると記録している．
罪を認める
テープの一つ一つが合衆国刑務所システム内での生活の実体に衝撃的な視点を与えてくれる．その実体は、「独裁と抑圧の権力に抗して戦う自由と民主主義のための戦闘」へ参加するというブッシュ大統領の理由とは非常に適合し難いものである．
実際問題として、このテキサスでのエピソードは1996年まで遡ることができるし、その時の州知事はブッシュ本人であった．
フランク・カールソンはこの犠牲者達のために損害賠償請求を求めて戦っている弁護士の一人である．私は彼に、アブ・グレーブ刑務所のスキャンダルが昨年表沙汰になり、合衆国の政治家がこのような虐待がアメリカ人看守の手によって起こったことへの自分たちの驚きと嫌悪感をあわてて表明し� �いたころ、彼自身はどう反応したのかを尋ねた．
彼は私に言った「なんという偽善者たちだと思った、なぜなら、それらは、ここ合衆国内で毎日起こっていることと同じことだと、自分たち自身が知っているのだから．」
アブ・グレイブ刑務所で起こった事は、数人の悪質な個人によって引き起こされた例外的な事件ではなく、国内の刑務所システムで日常的に起こっている最悪の実践を単に持ち込んだものだというカールソンの確信は、我々の調査中に私が話した全ての弁護士によって共有されていた．彼らは自分たちのオフィスの廊下や床の上、机の上で、山のように積み上げられた記録のファイルを指さした．
我々が集めた多くのテープは数年前のものである．その理由は、弁護士が公判が延期されていく中で、嫌が る州刑務所の内部で、断固として彼らを梃子で動かしたときに、それらがやっと日の目を見るからであ
る。
しかし、我々が集めた一本一本の「歴史的」テープから、私はもっと最近の話しも見つけることができた．
あなたがテープで見るものは今なお日常的に起こっていることである．
そのビデオ記録を見ることは恐ろしいことではあるが、あなたが単に虐待は実際に起こっていることを知るだけでなく、いくつかの極端な例では、若者達がそれによって実際に殺されていることを目撃することになると気づいたときに、もっと恐怖を感じるだろう．
あるぞっとする場面では、無抵抗でうつろになった一人男が裸で、看守によって独房から引き出されるところが映っている．彼らは、「拘束椅子」と呼ばれる中世風の器具に彼をくくり付ける．彼は手足には手錠、足錠がかまされ、革ひもで胸部を椅子に縛り付けられ、頭は前方にだらりとたれている．彼は死んでいるように見える．いや、まだだ、彼はまだ死んではいない．
椅子への� �席は彼への罰であった．なぜなら、看守は彼の独房で彼が頭に枕カバーを付けているのを見つけたとき、彼にそれを外すように命じたにも関わらず彼がそれを拒否したからである．彼は長い間、統合失調症を病んでいた．１６時間後に彼は椅子から開放されたが、その二時間後に、この野蛮な処置により生じた血栓がもとで彼は死亡した．
このテープはユタ州から得られたが、他にもコネチカット州、フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州、そしておそらくもっと多くの州からも得ることができる．過去数年以内に拘束椅子に縛り付けられて死亡した囚人は二十人を超えていることを我々は知っている．
我々が調査した死亡例のうちの二件はアリゾナ州のフェニックスにある同じ郡立拘置所内で起きた．そこは、「アメリカでも� ��とも厳しい保安官」という名称を享受している人物の一人によって運営されている．
捜索令状を取得し5の例外は何ですか
彼の名前はジョー・カルパイオである．彼はテレビ取材を歓迎しており、「我々は『足錠』無しに取材する」ことを許された．これは、心強い言葉の言い回しになっている．誰も、ジョー保安官が支配する拘置所の中で『足錠』をされたい等とは望みはしないからである．
我々は、彼の厳しい態度が如何にして悲劇的結果を生じるのかを示す二本のビデオテープを監視カメラから回収した．
最初のテープは2001年のものだ．そこには警察によって連行されてきたチャールス・アグスターと言う名前の男が映っている．彼は手首、足首に手錠、足錠をされていた．アグスターは麻薬常習者であり、精神的に病んでいた．彼は深夜営業の食料雑貨店の営業� ��妨害したとして逮捕された．
警察は彼をこの拘置所の保安官代理に引き渡した．アグスターは小さな男である．体重は５７キロ（9 stones）もない．しかし、彼はあがいて抵抗した．
テープは7人の保安官代理が彼を拘束椅子に組み伏せたところを写している．そのうちの一人がアグスターの腹部の上に膝まずき、彼の頭部を彼の膝の上に押しつけて上体を前方に折り曲げようとし、一方で
彼の手首を革ひもで縛って腕を椅子の後ろに回そうとしている．
どんな短時間でも、人の身体を二つ折りに曲げるというのは危険な事である．「拘束椅子」の使用規定は実際に、「姿勢によっては起こりうる窒息死」の危険性を警告している．
１５分後に、一人の看護師はアグスターが意識を失ったことに気づく．カメラは彼を蘇生させようと大慌てで努力する彼らを写す．しかし、彼は既に脳死状態であった．彼は三日後に病院で死亡した．アグスターの家族は現在、アリゾナ郡を刑事告訴している．
彼の母、キャロル、は泣きながら私に言った：「もし、これが虐待で無ければ、何が虐待になるというのか教えて欲しい」 チャールスの父親、チャック、は静かに我々がそのインタビューを撮影する様子に耳を傾けて� �た、しかし、その度、かれは頻繁に部屋をそっと出ていき、台所で静かに泣いた．
二本目のテープは、五年前のものである．それはスコット・ノーバーグが同じ拘置所で同様の死を迎えた
ところを写す．彼も麻薬常習者であり、（営業、公務執行）妨害で逮捕された．ノーバーグは看守により執拗に殴打され、テーザー銃（スタンガン）で19回も気絶させられた．そして、チャールス・アグスターのように拘束椅子を強制されて、そこで窒息死した．
郡の保険会社はノーバーグの家族に４００万ポンド（約８億円）を裁判外の和解金として支払った．しかし、保安官はこの処置に怒り狂った．「私の部下は潔白である」と彼は言った．「保険会社は陪審員
の前に立つことを恐れたのだ」
彼はアグスターの場合には全てを裁判で争う事を決心した．しかし、今夜もジョー保安官の拘置所では、
おそらく誰か別人が拘束椅子に縛り付けられているのだろう．
我々が回収した全てのテープが看守自身によって撮影されたというわけではない．リンダ・エバンスは彼女の息子、ブライアンを撮影するために病院に密かに隠しカメラを持ち込んだ．あなたは数多くのチューブに覆われた彼の顔をかろうじて見る事ができるだけだ．聞こえるのは人工呼吸器のリズミカルな吸引音だけである．
そこには、ジェシカの法律のようにどのように多くの法律です。
彼もジョー保安官の囚人の一人であった．看守と口論したあとで、彼らは刑務医官に自分たちが彼を叩き
続けたと話した．ブライアンは六日後に、独房の床に意識を失って倒れているところを発見された．頸部骨折、足指骨折、内蔵破裂が見つかった．一ヶ月の植物状態のあとで、彼は敗血症で死亡した．
「アルパイオ氏には責任がある」とリンダ・エバンスは、涙ながらに訴えながら私に語った．「彼はこの残虐行為に成功しているようだ、彼の精神性においては囚人たちの人権は無きに等しい．」
いくつかのテープは単に映像だけではない．それらには聞くに堪えない音声も含まれている．フロリダからの一本のテープは何十回も見たが、今なお、それらは重く私の胃に残っている．
それは、合法的な「強制措置の使用」のことである．（合法的なの）だから、看守は何が起こったかをビデオ撮影している．彼らは命令を� �む囚人にはテーザーを使うようになっている．
テープは刑務所内の病院で試験台に横たわる囚人を写す．看守は彼に車いすに下りるように指示する．
「いやだ、いやだ」と彼は次第に大きくなる声で絶望的に叫ぶ．「私を痛めつけるのだろう！」
そこで、一人の看守が彼の両方の尻にテーザー銃を撃ちつける．その男は電流が彼を打つのでピクッとする、そして金切り声を上げる．しかし、それでも彼は車いすに乗ろうとはしない．
看守は彼の身体をつかんで、車いすに落とす．彼らは彼の脚を足乗せペダルに上げるべく曲げようとする、彼は痛みで叫び声を上げる．その男の弁護士が私に言った．彼には非常に限られた知的能力しかない．彼が言うには、その男は背中に傷が有り、歩く事が出来ず、強い痛み無しには脚を曲げる事ができない．
テープは更に悲惨なものになる．看守はその囚人を強制的に立たせようとして、歩行補助の枠を持たせようとする．彼は床に� �れ、苦しみもだえて泣く．彼らは再び彼をテーザー銃で打つ．彼はエネルギーを使い果たし、泣きながら息をして、そこにもだえて横たわるだけだ．
最近のビデオテープの一つは昨年の一月に撮影されたものである．カリフォルニアの少年院の監視カメラがスタッフ職員と未成年被監護者（ward）との口論を記録している．彼らは囚人（prisoner）とは呼ばれない.
一人の青年がスタッフ職員の顔を殴った．彼は被監護者を床に殴り倒し、彼にまたがって座り、彼の頭に
何度も上からパンチをくらわせた．
テープを見ていると、あなた自身が一回ごとの打撃を感じるに等しい感覚に陥る．二番目の若者もまた頭部にパンチとキックを受けている．それは、彼が手錠をかけられた後でさえ続く．他の職員は、回りに立ってただ見ているだけである．
我々は何枚かの真に恐ろしい写真も入手した．数年前にフロリダ州では、高度に安全管理された州刑務所の新しい長官が「強制措置使用」時のビデオ撮影停止命令を出した．それゆえに、看守が囚人を罰するために唐辛子スプレーをどのように使うかを示すテープを我々は入手できなかった．
しかし、私たちには次のような公判記録がある．そこでは、男達がどのように唐辛子スプレーを噴霧され、
その後で化学物質が燃焼してできる煙の中で「料理」されるべく放置されたかが述べられている．彼らの弁護士によって撮られた写真には、一人の男の尻が大きなパッチ様の新鮮な皮膚で覆われているのが写っている．もう一人は、首、背中、腕が真っ赤な発疹に覆われている．三番目の男は彼の臀部が重傷の火傷を負っている．
「彼らは、消化器大の唐辛子スプレーの筒を使う」と弁護士のクリストファー・ジョーンが説明した．「我々が扱っている囚人の場合、彼らは全身の至る所に２度の火傷を負っている」
動かぬ証拠は、彼らが換気装置のファンのスイッチを切っていたことである．囚人達は、部屋の気密性を確保するために段ボール紙がドアの隙間に詰め込まれたと報告している．
では、彼らはなぜ唐辛子スプレーをかけられたのか？刑務所の公式報告によれば、彼らの違反行為には独房のドアをドンドン叩いたり、医療措置の拒否が含まれている．フロリダ州の同じ刑務所から、フランク・バルデスの写真（検死解剖の）が我々の手に入っている．現実的問題としては、彼が生きて刑務所を出られ� �可能性は殆どなかった．彼は刑務所職員を殺したことにより死刑執行待ちの状態だった
のだ．彼は電気椅子を受け入れる心の準備をしている所だった．しかし、彼は、自分が殴打されて殺されるとは思っていなかった．
バルデスは刑務所職員の腐敗と残虐さを暴露すべくフロリダの地方紙に手紙を書き始めたところだった．
そこで、看守の一味は彼を黙らせるべく、独房を襲った．彼らは、殆ど全ての彼の肋骨を折り、肺に穴をあけ、脾臓をつぶして彼を放置して死亡させた．
看守の何人かは後に殺人罪で起訴されたが、法廷は彼らの小さなホームタウンで開かれた．そこでは殆ど全ての人が、その町を囲むように建っている五つの刑務所の為に働いているか、それらの刑務所に関係を持っている．しかも、その法廷の陪審長は刑務所の前職員であった．当然看守達は全員が無罪放免された．
そうこうするうちに、この殺人事件が起こったときに刑務所の責任者だった所長ー彼はビデオ撮影の方針を変更した男でもあるーは昇進してしまった．彼は今や、フロリダの全刑務所を統括する責任者になっている．
誰が、このような行為を許すことが� �きるのか？あるいは大目に見ることすらできるというのか？我々に話してくれる数少ない看守は包囲攻撃されて籠城しているような精神状態に陥ることになる．彼らは、自分たちが看守名簿の番外にいること、危険や、暴力的な犯罪によって取り囲まれている事を思い知らされるだろう．
そうなると彼らは、たとえどんなことであれ、お互いに態度を後退させて行かざるをえなくなる、私は勤めている職員の一人に、もし仲間が収容者を殴打したら、次はどんなことになるのか、と尋ねた．「我々はそれを隠す、なぜなら我々は善良な人物（good guys）であることになっているから」
合衆国刑務所職員の大多数が困難な状況の中で最前を尽くしている礼儀正しい個々人であることを疑うものは誰もいない．しかし、ほんの数人によって引き起こされたぞっとするような虐待が報告されず、調査もされなかったときには、それは長いものには巻かれようとする一般的な風潮の中で人々を間違った団結に導くのである．
同時に、現代アメリカの一般傾向の難し
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