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5つ星のうち 5.0 修復的司法の古典,
レビュー対象商品: 修復的司法とは何か―応報から関係修復へ (単行本)
「修復的司法」とは、加害者に応報(刑罰)を加えることを目的とした「応報的司法」ではなく、被害者-加害者間の関係を重視する司法の形のことである。本書は、その「修復的司法」の古典と言われているらしい。
加害者-国家間の関係が重視される従来の「応報的司法」に比べ、「修復的司法」では被害者の立場が尊重される点では良いが、被害者-加害者間の関係を修復するためには、被害者から加害者への「赦し」が必要とされる点で理想論でしかないという批判もあり、著者もその点は認めている。
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ただし本書曰く、「応報的司法」も「修復的司法」も独立のものではなく、それぞれが司法システムの両極端の形であるということなので、「修復的司法」が何かということを知っておくことは、司法システムの良否を判断する上で役に立つことは間違いない。
全体的にみて難しいところはなく、これを読めば「修復的司法」がどんなものかはわかるようになっている。
原著が1990年にアメリカで出版されているので、話が少々古臭く感じたり、アメリカの司法を前提にしていたりするが、それらを差し引いても良い本だと感じた。
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5つ星のうち 4.0 宗教と 軽微な犯罪 どうだろう,
レビュー対象商品: 修復的司法とは何か―応報から関係修復へ (単行本)
地区正義ペンシルバニア州ピッツバーグをアピールする方法1.内容
1990年代のアメリカの刑事司法は、被害者のニーズを無視し、加害者に刑罰を科するだけの不当なものだった。このような応報的司法は、決して古いものではない。歴史的には代替手段があり、それらの中には、聖書で基礎づけられるものがある。聖書なども根拠となる修復的司法は、被害者のニーズをより汲むことができ、加害者や社会のニーズも満たし得る、優れたパラダイムである。著者はVORPに携わったが、被害者も満足し、再犯率も低まるなど、妥当なものと言えよう。
2.評価
被害者が満足し、再犯率が減れば、いい方法論であることは間違いなく、導入は検討に値しよう。ただ、ベースがキリスト教であること(藤井誠二さんだったと思うが、キリスト教がベースであることを批判していた。も� ��とも、日本の司法にも修復的要素があるらしく、キリスト教でなければ採用できないわけではなさそう)、基準となる事件が(相対的に)軽微な犯罪であることから(既存の応報的司法を廃絶しよう、という主張ではないが)、星1つ減らして、星4つ。しかし、被害者のニーズを重視する根本的思想は評価できるので、興味のある方が一読しても損はない。
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5つ星のうち 5.0 修復的司法を理解するために,
レビュー対象商品: 修復的司法とは何か―応報から関係修復へ (単行本)
もし犯罪が人々を害したなら、司法は、事態及び人々の関係を健全にするよう意図 しなければならない。悪事が発生した場合、まず問うべきことは、「加害者に何が なされるべきか」とか「加害者には何が相応しいか」ではなくて、「事態を健全化 するためには何ができるか」である。(p.188-189) 近代国家の司法は、犯罪者への報復を個人に代わって国家が行う形となっている。が、それは加害者の更正の機会を創ることにも、被害者の傷を癒すことにも貢献していない。一方で、修復的司法は被害者と加害者、そして社会の関係を正常化することを目指す。そこでは、社会共同体が中心となり、被害者が司法に参加することは不可欠となる。修復的司法の意味、実社会で用いられている例、その有効性を解説したものが本書� ��ある。
著者はキリスト教徒としての視点から本書を書いている。この点では、日本に当てはめるのは難しいところもある。また、修復的司法で中心となる社会共同体が近代社会には希薄である。これは新しい課題となるのだろう。
終章では日本の司法に触れ、その優位性を述べている。新しい見方ができるとともに、日本の司法の欠点は理解していない感想を持ってしまう。このことについては訳者あとがきを参照。
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